価格:1,000円 |
参考になった度:★★☆
今まで読んだ本とはちょっとニュアンスが違いました。どの本にも統合失調症になったら薬はずっと飲み続けるものって書いてあったけれど、この本では薬を飲まない可能性を示唆していて、どちらかというと薬よりリハビリテーションによる認知機能の回復が重要って力説してます。
結局は投薬治療とリハビリテーションのバランスなんでしょうけれどもね。
あと、認知機能障害っていうのは知的能力が落ちるわけではないという事が書いてありました。そうだったのか、勘違いしてました。
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統合失調症において薬物治療よりリハビリテーションが大切。本人が服用を嫌がったら家族は無理して飲ませなくても良い(もちろん勝手に薬を止めてよいわけではなく、薬を飲まないことを前提とした治療プランを医師と一緒に考えましょうということ)
本人が何に悩み、何に苦しんでいるのかを探る。最適な治療法を選択し本人をサポートすること。
陽性症状を抑える目的で薬を処方するとなると、強い作用の薬を使わざるを得ず、症状は抑えられても患者さんの活動性は落ち、明らかに元気のない状態になる。
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認知機能障害というと、知的能力が落ちると勘違いされがちですが、知的能力の障害ではありません。統合失調症の認知機能とは、知覚を含めた物事や人を認める能力のことです。
統合失調症の認知機能障害においては記憶力はなくならず、IQも発病前のまま保たれています。本人は外界の事をよく理解しており、内面はむしろセンシティブになっています。ただ、周囲から受ける情報の受け取り方がゆがんでしまうため、周囲への関心がなくなり、気配りができなくなります。
認知機能障害は薬ではよくなりません。専門的なトレーニングを行い、他者とのコミュニケーションを重ねることでしか改善しないものです。
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