統合失調症の事を何も知らないので、まずこの本を読んでみました。
「こころの病気の症状は急に始まるものではありません。親から譲り受けた特質や、幼い頃からの育ってきた環境、家族との関係、学校での友だちとの関係、そうした生活に影響を与えるさまざまな要因が絡まりあって「あなた」の考え方や生き方は作られていきます。そこに、思春期・青年期に社会に向かって巣立っていく際のストレスが加わり、ストレスのもつ力の方が大きい場合に、うまく生きられなくなり、さまざまな症状が始まるのです」
統合失調症は治りますか? 当事者、家族、支援者の疑問に答える [ 池淵恵美 ] 価格:1,870円 |
参考になった度:★★☆
著者が外来や入院診療で当事者や家族からよく尋ねられた質問にQ&A形式で回答しています。
女性医師の優しく語り掛けるような口調で書いてあって、穏やかな気持ちで読めました。
『統合失調症は治りますか?』って、きっと当事者とその家族が全員思う事ですよね。
結局、治る人もいれば治らない人もいる。その間にもさまざまなグラデーションがあるでしょう。
息子が退院するまでに家族としてできる対応を考えて準備したいと思います。
<メモ>
・今使われている抗精神病薬は幻覚や妄想を改善する効果がありますが、そうした症状を起こすそのもの脳の不調をなおしてくれるわけではありません。長くのめばそれだけ再発しにくくなるわけではないのです。
。大事なことは、すぐやめようとしないことです。初めて病気の症状が出た場合には少なくとも二年間、再発があった場合には五年以上、抗精神病薬は継続した方がよいといわれています。