統合失調症の息子との日常

「統合失調症の子」の親になったひとの記録 あと夫の抑うつとか介護とか

 ■当ブログはプロモーションが含まれていますよ

統合失調症発症の前兆に気づくのは難しいけど

息子は大学2年生(19歳)の4月に統合失調症を発症しました。しかし今から思えば高校3年生の大学入試の頃から大学受験や将来に対する不安がかなり強いなとは感じていました。

 

私は、なりたい職業ややりたいことが思いつかないなら、どこか浪人しないで入れる大学に入学して、とりあえず大卒の経歴だけGetすれば良いんじゃない?という考えなのですが

 

息子は(「若きウェルテルの悩み」とか「人間失格」とか読んじゃう系の人なので)必要以上に何か思いつめている感があり、受験期の息子の様子を見ていて「気分が落ち込んでいるようだ」「うつ気味かな」とは思いました。

 

しかしその時点では「思春期によくある将来への漠然とした不安」と判断し、「いい年した男子なんだから自分で考えて乗り越えて欲しい」と突き放しぎみだったと思います。どちらかというと放置放任の方向でした。

 

そして大学に合格したら、浮き沈みはあるもののそれなりに浮上しているようにも見えました。

 

今思い返すと、受験期の頃から病気の兆候が表れ始めていたのだとは思います。しかしあの時点で「子どもの様子が変だから精神科に連れていこう」という発想を得るのはなかなか難しいことだとも思います。

 

それは以下のような理由からです。

統合失調症が思春期から青年期の子どもに発症する際に、病気の症状として、「眠れない」、「イライラする」、「なんとなく不安だ」、「気分が落ち込む」、「引きこもりがりになってしまう」などの、どんな心の病気に現れてもおかしくない非特異的な心や行動の変化以外は目立たないことがよくある

統合失調症からの回復を願う家族の10の鉄則』渡部和成 より引用

 

また、親心として「子供が精神病になりかけている」とは思いたくない気持ちがあり、問題を棚上げして見て見ぬふりをしてしまう心の動きもあるからだと思います。

 

ご家族は、ついつい「(子どもは)、今、ちょっと精神的に調子が悪いだけだろう」と思い込んで、子どもの状況に十分注意を払わなかったり、「ただ怠けているだけだ」と子どもに対して怒ってしまったり、「軽いうつになっているようだ」とポピュラーな重大ではない病気にあてはめたりしがちです。そうすると、子どもの精神的変調を治療し改善するための適切な判断が遅れてしまうことになります。

同 引用

 

という訳で、はっきりとした異常行動がない時点で、家族が統合失調症の前兆をキャッチして受診につなげるのはなかなかに難しいことだとは思いますけれども

 

これを読んでくださった(特に思春期の)お子さんをお持ちの方は、そういう可能性も心に留めてぜひ注意深くお子さんの様子を見てあげて欲しいなと思います。何卒。

 

統合失調症からの回復を願う家族の10の鉄則 [ 渡部和成 ]

価格:1760円
(2024/1/20 21:59時点)
感想(1件)