統合失調症の息子との日常

「統合失調症の子」の親になったひとの記録 あと夫の抑うつとか介護とか

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【読書】そこに、心おどる動機があるか

『反応しない練習』がベストセラーになった草薙龍瞬さん、私は最近まで存じあげなかったのですが、とても異色な経歴の方です。

僧侶。1969年奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探究しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている

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中学受験で超進学校に入学するも競争相手に勝つためだけの勉強に意味を見出せず、中3の3学期から不登校。新聞配達のアルバイトなどして過ごし、16歳の時ひとりで上京してアルバイトでためたお金を元手に「19歳の予備校生です」とウソをついてアパートを契約したそうです。16歳でひとりで上京してアパート契約までしてしまう行動力にびっくりです。

 

そこからひとりで迷ったり悩んだりしながらも独学(予備校などには通わず通信教育は受けていたようです)で東大に合格、政策シンクタンクに勤めた後、出家。すごいふり幅のある人生だなぁと思いました。

 

この方の書かれた『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』という本も読みました。勉強をする中で生じる不安や迷いを仏教的な知恵によって調整する方法が説明してあって、よくある勉強法の本とは一味ちがう本だという印象を受けました。

 

「合理的」というのは「効率的」とは違うんだよ。というのがまず一つの気づきでした。つい「ラクして効率的な方法」を求めてしまいがちですが、この本で「合理的」というのは本質を踏まえたムダのない方法と定義され、「ムダがない」とは勉強したことが試験に役立ち、その後も一生使える「知的能力」として残ってくれることとされます。

 

「東大に行けた勉強法」というキャッチーなタイトルにはなっていますが、受験勉強に限らず、大人でも何か夢や目標に向かおうとする時に参考になると思います。

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この本の中で、目標を達成するために守るべき条件が挙げられていました。①正しい動機を持つこと②正しい方法をとること③ひたすらに定めた方向を見続けること。

 

①正しい動機をもつ

・正しい動機とは「思い描くだけで心が躍る」内発的な動機であること。「あんなサッカー選手になりたい」「あんな歌手になりたい」と夢見るように、将来それを実現した自分を想像してみて、心が躍る、胸がときめく、おのずと微笑んでしまうような前向きなイメージが湧いてくるか

・挫折しそうなときには、迷いや失敗は一旦リセットして「正しい動機」に立ち返り、その動機の上にだけ立って「今できること」から始める。

 

「思い描くだけで心が躍る」「おのずと微笑んでしまう」言葉にハッとさせられました。その目標は本当に自分が望んでいることかな??資格を取ったら後々有利そうだと思って勉強しているけど、その資格を使ってハッピーな自分が思い描けるか??

 

②正しい方法をとる

・正しい方法とは自分が納得できる方法であること。「どんなに効率的な方法であっても、自分が納得できなければ本気で続けることはできない

・「一つのことを、心尽くしてやる」「これだけ努力すれば夢はかなう」という目安はない。正しい努力の量とは「自分に妥協しない」ということに尽きる

 

これは一般的に効果がある方法と言われていても、自分の心が同意しかねる方法を選んではいけないということですね。自分が信じられる方法でないと、心を尽くして全力で取り組むことができないから。だから、どの方法を選ぶかは自分軸で定めた方がいい。

 

③定めた方向だけを見続ける

・その期間は自分の定めた方向(目標)以外に目をやらないこと。自分がかなえたいと定めた夢や目標の方向だけを見つづける。自分が正しいと思える方向だけを見続ける。仏教ではこれを「決定(ケツジョウ)」を呼ぶ。

・その方向だけ一心に見続けるためのには、期限を決めてその間にできると思える具体的な「作業」を決める。この作業とは「気持ちがきちんと入る作業」であることが大切

・結果が実るかどうかは考えても答えはでないもの。ならば夢が叶うと思い込み、あとはけっして疑わないこと。

 

これが一番難しいですよね。夢や目標に向かうとき、どうしてもこの方向で間違ってないのか、不安になったり迷ったりします。これを払拭するために、マインドフルネス的なものだったり、「作業」に集中するという仏教的な方法が紹介されているのが本書の特色だと思います。

 

同じ著者の本に「これも修行のうち。」という本があるのですが、なるほど何事も一旦立ち止まって「これも修行のうち」と心のうちで唱えれば、不安が減って穏やかな気持ちで取り組めるような気がします。

これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活

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