統合失調症の陰性症状で自宅療養中の息子(20)、愛着障害の傾向があるんじゃないかなと思っているので読んでみた。
価格:1870円 |
この本では愛着障害を「特定の人と結ぶ情緒的な絆ができていない」「関係性の障害」であり、「人との間の愛着形成不全の状態」と定義し
そして愛着の絆の正体は「安全基地」「安心基地」「探索基地」であり、この3つの基地機能を強化することで愛着が形成されるとされます
「安全基地」とは恐怖や不安、怒り悲しみのようなネガティブな感情がわいた時、誰かが大丈夫だと守ってくれると思える場所
「安心基地」とはポジティブな感情を生じさせてくれて、一緒に居ると落ちつく、ほっとする、楽しくなる。だから会いたくなる、一緒に居たくなる場所
「探索基地」とは安全基地から離れていろいろな場所を探索したり、新しい出会いを経験した後に、また戻ってくるという行動(動線)として確認される。自身の体験を「特定の人」と共有することでポジティブな感情は増加し、ネガティブな感情は減少する。
息子は統合失調症になってから、退行(幼児化)が激しく、母親への後追いや肌接触を過剰に求める(手を繋ぎたがるとか膝枕して欲しがるとか)。
幼い頃から不安感が強い子だとは思っていたけれども「安全基地」が十分に育ってないのかもしれないと思う。「安心基地」が育っていないから外に冒険に出かけられないのではないか
この本を読んで、愛着障害の改善のために取り入れられそうな手法としては以下の2点。
①1対1で一緒の活動をすること。そしてその時感じたことを一緒に共有すること
②先手で支援すること。 例えば「抱っこして」と子どもに言われてから抱っこしていたのでは、それは後手の支援なので抱っこ要求はエスカレートするばかり。支援者の方から「○○しよう」と誘い、それが本人のやりたいことと一致していれば子供は嬉しいし安心する。
そのような支援を通して「愛情の器」に愛情エネルギーをしっかり貯めることが重要。
正直言うと、息子に付きまとわれすぎて、内心うんざりしないでもないのだけれども、できるだけ息子に「○○して」と言われる前に一緒に活動する時間を増やしていきたい。