統合失調症の息子との日常

「統合失調症の子」の親になったひとの記録 あと夫の抑うつとか介護とか

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息子 統合失調症発症から約6か月、いまの状態と思うこと

2023年4月中旬に統合失調症が発症した息子、もうすぐ6か月が経とうとしています。

 

統合失調症」というと、一般的に幻覚・幻聴・妄想が特徴的な症状ですが、息子の場合、現状ではそのような症状は治まっていて、今見られる症状としては「意欲の減退」「感情の平坦化」「自主性の低下」「集中力の低下」「退行(赤ちゃん返り)」などです。

 

ほとんどの時間をベッドに横になって過ごしていて、起きている時もぼんやりしている感じです。「お風呂洗ってくれる?」「洗濯物畳んでくれる?」「テーブルにお皿並べて?」とお願いすればやってくれますが、みずから動こうという感じはないですね。

 

あとは意味もなく母親(私)の周りに寄って来て近くに座ったり、膝まくらで耳掃除をして欲しがったりします。

 

何と言うか今の息子の様子は、特に不穏な言動や希死念慮があるわけではなく、単にウツっぽいというか、不登校とか、引きこもりみたいなイメージなのですが、

 

統合失調症の本を読むと、このような症状は統合失調症陰性症状としてよくあることで、家族の対応としては「焦らせず長い目で暖かく見守りましょう」と書いてあります。

 

なので私たち家族も、息子に対して掛ける言葉としては「お薬飲んだ?」「昨日お風呂入らなかったから今日は入ったら?」「今日は散歩行ってきたら?」ぐらいで、

 

一日中横になって引きこもっていることに苦言を呈したり「少しは勉強したら?」などの小言は言いません。

 

お風呂に入れたら「頑張ったね」、散歩行けたら「えらいじゃん」、漫画を読んでいても「読む気力が湧いて良かったね」。まるで小学生低学年の子どもみたいな声掛けですが褒められると本人も嬉しそうにしています。

 

3か月前に退院する時は、息子が帰ってきたらどんな生活になるか想像ができなくて不安に思いましたが、そんな感じで今のところ平穏な毎日を過ごしています。

 

しかしツラツラ思うに、それもこれも息子が「統合失調症」と診断されて医療モデルに組み込まれたからこそ、広い心で受け止めていられるんだよなと思う訳です。

 

病気だと診断されることで不可解な行動に納得がいき、医療的な対応の道筋が示されてそれに従っていれば(ある程度は)治ると思える。周囲にも理由が説明ができるようになり、福祉サービスなどの配慮も得られるようになる。

 

もし息子が突然不登校になって、理由も分からず引きこもり一日中寝てばかりになったら、多分私息子に怒ったと思うんですよね「学校行きなさい、寝てばかりでどうするの?将来どうするの?」

 

実際、発症前にひとり暮らししていた息子に何度か「休学したい」という打診は受けていたんです。

 

その時、私は確か「休学しても良いけど何するの?」と答えたと思うんですよね。留学とか何か目的があれば休学しても良いけど、目的もなく休学するのはありえなかったので。

 

あの時休学していたら、どうなっていたのかなと少し思わないでもないですけど、恐らく息子の場合は遅かれ早かれ発症していたような気もします。本人の生まれ持った気質的や思考回路的に(将来への不安感が強く太宰治や「若きウェルテルの悩み」とか読んで思いつめるタイプの人)。

 

そして、こうして発症しなかったら私も既存の価値観を崩せなかったんだと思いますが、今はもういわゆる既定路線への執着は多分なくなったので

 

息子には何か意欲が湧いて取り組めることができて、それで社会と繋がることができればいいなと思っています。